アロマだけじゃない!和の趣が魅力的なお香は奥が深い香りの講座

習いごとの定番として華道や茶道などがあります。作法も身に付く為、女性が習うイメージがありますが、もちろん男性も学ぶことができます。どちらにしても、多くの人が一度は教室へ行く習いごとには違いないでしょう。

今回は、そんな定番からちょっと外れた、しかし日本では長い歴史のあるお香についての習いごと、「香道」をご紹介します。

香道としては室町時代になるのですが、それよりはるか以前の飛鳥時代から香りを楽しむ風習はあったようです。それだけ人は匂いに敏感であり、また癒されるなど感情や体に影響を与えていたのがわかります。

今の時代、匂いに敏感と言いますか、消臭商品がかなり増えました。それに合わせて、匂いに関心を持つ人も多くみえます。そんな現在、昔から伝わる香道を勉強するのは、ただいい匂いがする商品を買うのとはちょっと違うと思いませんか。

香道では、香りをかぐことを「聞く」と表現するそうです。また、香りの専門家を「香司(こうし)」呼びます。それだけでも少し上品な感じがします。

とはいえ、「香道」と言うとちょっと堅苦しく感じる人もいるかもしれません。もう少し柔らかい言い方として、最近は「お香教室」「お香講座」という表現が多いようです。どちらにしても、アロマとはまた違った歴史と和の風情を感じるはずです。

そもそも、アロマとお香の違いは何だろうと疑問に思う人も多いでしょう。お香は、基本的に「火を付ける」「温める」「常温で使う」ようになっています。(主に3つ)

アロマの場合は、お香と似たような使い方(アロマポットで温める)もあるのですが、それ以外にもお風呂に入れたり、スプレーしたりマッサージにも使えるなど、方法が多様です。

また一番の違いとして出てくるのが、香は材料として香木を使っている点でしょう。(香木以外の材料もありますが)アロマは、花や木などの植物から成分を抽出してオイルの形が多いです。

よく香り方で「トップノート」「ミドルノート」「ペースノート」と言う言葉を使うのですが、その香り方もお香とアロマでは大きく違います。材料が液体か固体かで香りの広がり方が違うので、当たり前と言えば当たり前でしょう。

どちらにしても香りによって癒しの効果があるのは変わりません。それぞれの特徴を覚えれば使い分けるのもありでしょう。そもそも、お香を扱っている店は、フレグランスオイルやアロマ関係の商品も多く扱っています。

教室としては、カルチャーセンターだけでなく、お香を取り扱う店(会社)が行うことも多いです。また、華道や茶道とあわせて講座を開いている人もいますし、日本文化の普及に力を入れている団体(例:公益財団法人お香の会)などが行っていることもあります。

香道としては、香りを楽しむ「聞香(もんこう)」と聞き分けを当てて楽しむ「組香(くみこう)」があり、講座としても、香道のマナーを含めて聞香や組香を楽しむものもあるのですが、どちらかと言えば、もっと違う形での教室が多いと言えるかもしれません。

と言うのは、お香の教室でよくあるのが、講師(香司)のアドバイスの元、自分で原料を調合してオリジナルの匂い袋を作ったり、練香(香の材料にはちみつなどを混ぜて練って丸めたお香)を作ったりする体験型のものです。こちらの教室の方が、作ったお香をその後に使えますし、参加も気楽にしやすいと言えます。

調合で匂いが変わってくるので突き詰めていけば、かなり奥が深い習いごとです。いい匂いは誰もが好きなものです。アロマもいいですが、和の趣を感じられるお香もいいものです。