ヨーロッパの貴婦人が愛したタティングレースは美しくてハマる!

タティングレースと聞いてもピンとこない人は多いでしょう。レースと言う言葉から、なんとなくわかるかもしれませんが、モノを見た方が早いかもしれません。例えば棒針や鉤針編み、刺繍など、レースにもいろいろ種類があるのですが、その一つで結びレースになります。

タティングレースの始まりは、その技法が古代エジプトまでさかのぼることができるとされているのですが、当時は実用的なものだったらしく、装飾的なレース技法としての起源は明確ではないそうです。ただ、16世紀のイタリアとの一説もあります。

タティングレースは、シャトルと言う船形の道具を使って結び目を作っていくレースの技法になります。タティング、タッチングレース、シャトルレースと呼ばれることもあります。その出来上がりは繊細でエレガントなもので、18~19世紀には貴族の間で流行、教養として習うほどのものになりました。

その中でも有名なのが、イングランドの女王メアリー2世。ルーマニアのマリア王女も、図案や技術をたくさん考案したことで有名です。大がかりな道具は必要ない為、馬車等の移動中に作られたり、また、シャトルを持つ様の肖像画を描いてもらうことが女性達に好まれたそうです。

簡単にできる上、ヨーロッパの貴族たちに広がった優雅なイメージだけでなく、実際に見た目も上品で繊細な為、ずっと愛され続け、今も人気があります。

レースと言う言葉のイメージからちょっと難しそうですし、もちろん最初、慣れるまでは確かに難しく感じるかもしれません。しかし、道具は手軽で基本をマスターすれば、後は簡単です。

制作できるものとしては、コースター、巾着、ネックレス、ブレスレットなどがあります。他にも洋服のレースはもちろんのこと、イヤリングなどのアクセサリーも可能です。

それこそ、ヨーロッパの馬車の話ではないのですが、使用するレース糸もシャトルに巻いておいてカバンに入れることができるサイズの為、移動中などのちょっとした時間でも編むことができます。もちろん、乗り物にもよるでしょうが、携帯やスマートフォンにかじりつくよりもいいのではないでしょうか。

道具としては、シャトルやレース糸の他にハサミ(糸切りハサミでもOK)、針(糸の始末を行う時に必要。細くて先の丸いものがいい。)、手芸用ボンド(糸のほつれ止めとして)などが必要ですが、価格としては、さほど掛かりません。

シャトルは、手芸店で5個入り1,000円程度で購入でき、またレース糸も品質を気にしなければ100均で手に入れることができます。講座を受講する場合は、大抵、講師の方が用意、その場で購入などが可能となっているところが多いです。どちらにしても金額的にも習いやすいと言えます。

今さらと言う方もいるかもしれませんが、指への刺激は脳を活性化するのに良いとされています。他の手芸でもそうなのでしょうが、タティングレースでは、糸を結ぶのに細かい指の動きをしいます。そこが難しいと思う人もいるかもしれませんが、脳トレにもいいと言えます。

少し優雅に、タティングレースを習ってみてはどうでしょうか。